第11回 情報リテラシー論レポート
・苦戦する紙媒体と電子書籍
インターネットの発達により、相反するように新聞の発行部数が減少しているという。
リンク先:総務省 青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査
発行部数はあくまで刷った数を集計しているが、もう一つ出ているデータとして『推定読者数』がある。
本と違って新聞は回し読みをすることも多い。一家族に1部あれば十分だし、床屋などで自由に読める形で置いてあることもあるため、そう言った人たちも含めた推定である。
新聞の発行部数はインターネットの出現とほぼ同じ時期に減少に転じているが、面白いことに推定読者数はその10年ほど前から減少に向かっている。
これは単純に新聞を読まなくなったこともそうだが、一家族あたりの構成人数が減っていることも原因である。
新聞だけではない。少子化もあり漫画雑誌の減少も続いている。
2007年の月刊ジャンプ、コミックボンボンの廃刊 (休刊) を契機に、学年誌の小学5,6年生が休刊になり、その後も転がるように消えていった。
そもそも分母が違うのだから単純に減ったという話ではないが、それでも休刊せざるをえないほど発行部数が減少しているのが現実である。
そんな中、WEBコミックが誕生した。
2014年にジャンプが電子化したこともそうだが、雑誌を介さずにWEB上で連載を展開する漫画が近年増えてきたのである。
集英社の『ジャンプ+』、小学館の『マンガワン』『サンデーうぇぶり』など数多くあるが、例えば雑誌の休刊に伴って打ち切られたものをウェブで続きを掲載しているパターン、隔週連載や原稿が完成し次第掲載など、電子媒体であることを活かした様々な形式で展開されている。
しかし、電子化に伴ってネット上に不正アップロードなどの問題もある。画像である以上無限に複製が可能なこともあり、プロテクトを行ってもいたちごっこである。
自炊代行は違法であり、プロテクトの解除も違法であるが、ネットで検索すれば海外の違法漫画サイトを大量に見つけることができる。
これに対抗するために考えだされたのが赤松健先生の『マンガ図書館Z』だ。
前身は『絶版マンガ図書館』と言い、絶版になった漫画を中心に広告付きでマンガを掲載することで、読者は無料でマンガが楽しめ、作者は広告収入が手に入り、絶版なので出版社とも競合しないというシステムである。
現状は絶版(=出版社の管轄ではない)マンガのみであり、最新刊などは出版社側で対処しなければなないという問題もあるが、マンガ版YouTubeとしてこれから発展していくのかもしれない。